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京上岩絵具

無鉛がもたらす、絵画用岩絵具の未来

ナカガワ胡粉絵具では、京都府中小企業技術センターとの共同研究で無鉛岩絵具(現10色)の製品化に成功。平成23年に、これを京上岩絵具として製造・販売を開始しました。
昔から「上等の日本画は硫黄の出ている温泉場にはもっていくな」と言われるほど、絵具に及ぼす硫黄の影響が指摘されていましたが、近年は温泉場ではないところでも同じ事が発生する可能性があるとの指摘がありました。このため、大気汚染物質と新岩絵具の成分との反応メカニズムの究明と、悪環境に対応する機能や特性を持つ新しい絵具の開発が必須であったのです。

京上岩絵具の開発の起点となるのは、京都府中小企業技術センターとの共同開発となる【大気汚染ガスに対して影響をほとんど受けない新しい岩絵具の開発研究】です。この研究は、例えば亜硫酸ガスや窒素酸化物などの大気汚染物質の影響で酸性雨霧などが発生することにより、絵具の成分にどのように影響を及ぼすか、またその影響の防止にどのような方法があるかといった研究です。
京都府中小企業技術センターでは、平成4年ごろから陶磁器用上絵具に対する鉛溶出防止技術・環境汚染ガスへの影響といった研究が行われ、すでに陶磁器業界用に『高化学的耐久性フリット絵具』が開発され、特許を取得していました。この研究成果を日本画用新岩絵具に活用し、私たちナカガワ胡粉絵具との共同研究の成果として、平成10年に亜硫酸ガスや窒素化合物などに対応する『環境対応機能性フリット絵具』を開発。平成14~15年には、強還元性の環境汚染ガスとして知られる硫化水素ガスに対応する【耐硫化水素ガス環境対応低融機能性絵具】の研究を行い、ここで研究された二酸化窒素ガスの影響など、様々な観点から絵画用画材に対する多角的な検討を行いました。

これら一連の研究で開発された環境対応低融機能フリット絵具により、ようやく環境性能に配慮された、新たな日本画用絵具への展望が開けてきたのです。

そして、この10年間の開発を経て製品化に至った無鉛岩絵具は、大気汚染ガスに対してほとんど影響を受けず環境汚染を防止するだけでなく、製造・使用する人への安全面にも優れた性能を発揮します。また濃色化が可能なことから、従来の岩絵具では不可能であった新色の開発・生産が可能。コスト面でも優れた製品です。
ナカガワ胡粉絵具では、この無鉛岩絵具を『京上岩絵具』として登録商標を行い、従来の岩絵具市場での需要開拓を進めるとともに、次世代の絵画材料として需要拡大を計画。さらに、環境規制のため輸出が困難であった欧米・中国等の海外市場への積極的な商品展開を図ってまいります。

引用文献:京都技法材料研究会「日本美術教育の最前線–京都技法材料研究会からの報告- 」、
「京都府産業の展望」2005年度版、第5編府内中小企業の個性との出会いによる経営革新第一章産学公連携 事例2 産学公連携と伝統絵具の出会い <ナカガワ胡粉絵具株式会社>

京上岩絵具 全12色カラーチャート

現在、京上カナリア黄をはじめとする12種類を展開*。
今後は30種類、10階色、計300色を目標に開発・製品化を進めています。

*平成29年2月現在

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