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本朱は水銀と硫黄を合成して人工的に作られます。
混合比や温度調節により色の違いが生まれます。
天然岩辰砂の成分も朱と同じですが、こちらは原石を砕いてつくるため他の岩絵具ろ同じように10段階の粒子があります。
色味の違いはありますが、粒子の細かさでは一番細かい白番が本朱に相当します。
どちらも人工の岩絵具で、色の粉(顔料)と焼き物の「釉」の成分に近い粉とを混ぜ、それを高温で溶融・冷却し、色のついた岩石状のものを作り、それを砕いて粒子の粗さ別に分けたものです。
新岩絵具は「釉」の成分に鉛を含み、京上岩絵具は鉛を含まないという違いがあります。
可能です。
天然岩絵具と同じように膠抜きをしていただければ、使用いただけます。
可能です。
細かい粒子同士であれば、あまり分離しません。
粗い粒子のものと細かい粒子のものを混ぜて、わざと分離させることで効果を出すような技法もあります。
天然岩絵具を吹きガラスに使用とのことですが、
残念ながらほとんどの天然岩絵具は熱変色いたします。
比較的熱変色に強いのは岱赭や黄土や鼠などです。
ただ岩石を粉砕しているものになりますので、800℃から1000℃では溶けずにガラスと混じらない可能性が高いかと思います。
天然ではありませんが京上岩絵具という無鉛の岩絵具があります。
こちらは熱変色にもつよく、ガラスにも混じるかと思います。
天然岩絵具は細かい粒子なので水にいれても溶けません。
時間が経つと粒子が底に沈殿し、透明な水と顔料分に分離します。
天然岩絵具には粒度によって5番から13番と白番と10種類に分類されており、5番が一番荒く、白番が一番細かいものになります。
荒いほど沈殿が早く、白番であれば沈殿するまでにかかる時間は長いです。
ただし、5番から白番で同じ色名でも色味は違います。
粒度が細かくなるほど白っぽくなります。
版画に使っていただけます。
12~白番ぐらいの番手が細かくて比較的使いやすいかと思います。粒子の粗い雰囲気が良ければ12がいいかと思いますし、細かく塗りやすさを求めるのであれば白番ですが、名前の通り少し色が白っぽくなります。まずは13番ぐらいがその中間で使っていただけると思います。
胡粉の原料はイタボ牡蠣の貝殻で、岩胡粉の原料は大理石です。主成分はどちらも炭酸カルシウムです。
岩胡粉は、他の岩絵具同様、粒子の粗さごとに分けられています。一番細かい「白番」と呼ばれている番手のものが胡粉の粒子の大きさに相当します。
岩胡粉の白番と胡粉を比べると、同じ白色でも少し色合いが違います。それぞれの人の色の感じ方にもよりますが、胡粉の白色は透明感のある温かみのある白と言われており、人形の顔の塗装などにも用いられてきました。
岩胡粉は、岩絵具としての粒度があるので、日本画制作において粗いところから細かいところまで目的に応じて使いわけられています。
岩絵具の9番と胡粉の混色で、水彩絵具や顔彩のように[赤+白→桃色]というような効果を望まれているのであれば、結果は混ざりません。
粒子の大きさや比重の異なる絵具の混色を行うと、彩色した部分の色に濃淡が生じます。粒子がある絵具ならではの面白さでもありますが、均一には混ざりません。
岩絵具の混色は同じ粒子の大きさ、同じ比重であれば均一な混色ができますので、岩胡粉の9番を使って、9番同士を混色されるのが良いでしょう。
粉の状態でよくかき混ぜて色を調整し、そこへ膠液、水を加えていくという手順です。
盛上胡粉は粒子の荒さを不揃いにすることにより剥落しにくくなっています。
普通の胡粉はきめ細かい均一な粒子に精製しておりますが、丁寧に盛り上げていけば、盛上げることは可能です。
アク止め法としては様々な方法があると思いますが、こちらでは胡粉使用時の伝統技法を紹介します。
1.まず捨て膠を引きます
下記の調合のものを木がある程度吸い込まなくなるまで最低2回は引きます。
*天気の良い日に1回目の捨て膠を引いたら完全に乾燥させて(半日~1日程度)から2回目を引いてください。(3-4回)
捨て膠の調合―水1000cc:膠20g
2.捨て膠が完全に乾いたら、その上からさらにドーサを引きます。
下記の調合のものを木が吸い込まなくなるまで最低2回は引きます。
*天気のいい日に1回目のドーサを引いたら完全に乾燥させて(半日~1日程度)から2回目を引いてください。
ドーサの調合―水1000cc:膠20g:明礬5g
→白麗印での木口の塗り方
1.まずしっかりとアク止めをします。
2.白麗印はすでに膠が入っているのでぬるま湯で溶いていただくと使用できます。外部塗装の場合はやや粘度のある方が作業がしやすいです。
胡粉100gを100mlのお湯で溶いたぐらいから試してみてください。
3.その前後で塗りやすいお湯の量をみてください。
4.胡粉に定量の膠が入っているのでお湯の量に関わらず乾いた状態での膠濃度は一定です。
5.胡粉は一度塗りでは下地が透けてしまう可能性がありますので、3回程度塗り重ねてください。厚塗りで1度塗りだと剥落する可能性があります。
使用する貝殻の部分が違います。上質の物ほどより白さが増します。粒子の粗さはどれも同じです。
一般的には金鳳印・白寿印は上塗り仕上げ用、白雪印は下地用となっております。
貝殻を仕入し、風化させたのちに上蓋、下蓋をそれぞれ選別し粉砕し胡粉にしますので、余った部分というのはほとんど出てきません。
イタボ牡蠣です
重ね塗りをするときは少しずつ膠を薄くしていきますが、それぞれのやり方があって具体的な数字はなかなか出てきません。絵具が落ちたり動いたりしない膠の濃度内で薄めていきます。
仮に同じ濃度で全部塗ったとしてもよほど厚塗りでない限り絵具が割れたりすることはないと思います。水干絵具についても同じです。
アクリルの上は剥がれやすくなります。サンドペーパーなどで表面を少し削ってから塗る方が良いと思います。
20%の膠水は濃すぎて扱いにくいです。胡粉の発色も悪くなるので10%で良いです。
膠入りではありますが、乾燥した状態ですので特に消費期限は設けておりません。
弊社製品の盛上胡粉をご使用ください。粒子が不揃いになるように製造しておりますので、粒子の均一な上質な胡粉と比べて剥落しにくくなっています。
膠でよく練ってご使用ください。塗る時は一度に厚く盛り上げるのではなく、数回塗り重ねることで厚みを出します。一度塗ったものが乾いてから重ね塗りしてください。そのようにすることで剥落や割れを防ぎ、木材にしっかりと定着します。
白麗100gの中には約7gの膠が含まれています。したがって、白麗100gを100mlの水で溶いた場合は胡粉を7%の膠液で溶いたものに相当します。
通常、胡粉は10%ぐらいの膠液で練ったものに2倍から3倍くらいの水を加えて溶きおろします。膠の濃度は3.3%~2.5%ぐらいになると考えられます。
白麗の膠濃度を同様程度にするには白麗100gに200~300mlの水を加えて溶くことになります。
これより水の量が少ない場合には、かなり濃い膠で胡粉を塗る事になるので一度に厚塗りをすると、剥落・ひび割れの恐れがでてきます。
薄めに溶いたものを何度も重ね塗りをすることでうまくいくと思います。
なお、白麗は胡粉と膠液を練り合わせたものを乾燥・粉砕しておりますので、乾燥した膠成分が、微粒子といえど、水では溶けにくい場合があります。
お湯で溶いていただくことで膠成分がきれいに分散し、定着力も発色もよくなります。
胡粉は岩絵具や水干絵具を混ぜて中間色を作ることができます。
岩絵具の場合は、番手は12番~白番くらいの粒子の細かな岩絵具と混色することをおすすめしています。
粒子の粗い岩絵具とは混ざりません。
チューブ胡粉と水を1:1で加えて溶いておき、岩絵具には膠と水を加えて溶き、それぞれを溶いた上で、色合いを見ながら少しずつ加えて混ぜていってください。
チューブ胡粉と水を1:1の目安で溶いていただきますと、彩色にはやや濃いめの溶液ができます。
その状態から筆運びの良さや彩色したい色の濃さに応じて水を加えて調整していただくと良いかと思います。
胡粉を塗る際には一度にたっぷり塗ると剥落の原因になりますので、薄く塗り、乾いては塗り重ねてご使用ください。
胡粉は白い絵具として使われたり、他の絵具の発色を良くするための下塗りとして使われたりします。また、他の色と混ぜ合わせることで、様々な色調の中間色を作り出すことができるなど、日本画にとってなくてはならない絵具です。
けれども、同時に、ひび割れや剥落を起こしやすい絵具でもあり、その溶き方が重要となってきます。
胡粉の溶き方の基本的な工程としては、まず乳鉢で空擦りをし、胡粉の粒子が充分にきめ細かくなったところへ膠液を少しずつ加えながら乳棒で捏ねていきます。耳たぶぐらいの柔らかさに捏ねあがったものを手に取り団子状に丸めます。これを皿などに何度も叩きつけて中の空気を抜くと同時に胡粉と膠をよくなじませます。お湯であく抜きしたものを必要量皿に取り、水を加えながら指で丁寧に溶きおろしていきます。
詳しくは動画をご参照ください。
水干絵具は膠の濃度が濃いと濃く発色します。
8%の膠水であるなら3倍ぐらいに薄めれば良いと思います。10gの膠液で練り、20gの水を入れます。まだ濃いようであれば、さらに10gの水を足しても淡彩であれば定着すると思われます。
播州粒膠は牛皮を原料としています。
かつての三千本などの和膠と比べ、製造方法の違いから精製されすぎて不純物が少ないため粘りに欠ける感があります。
絵画用としては和膠が優れていたのですが。。。
これを補う方法として弊社では、播州粒膠8に対して、兎膠を2加える方法をお勧めしています。
兎膠100%だと強すぎるため絵具に対するか加減が難しいと思われます。
鹿膠は安定した原料の供給ができないため、一般には流通していないようです。
透礬水の明確な保管期限や消費期限というのは定めておりません。
開封後は冷蔵庫での保管をオススメしておりますが、腐敗することがあります。
あきらかに匂いが変わってきて、臭くなっている場合は腐敗しておりますので、廃棄してください。
また長期保管後に使用される場合は、小さな歯切れの紙などでドーサが効くかどうかお試しください。
にじみ止め効果がなくなっている場合は腐敗が進んできているということになりますので、使用せずに廃棄ください。
膠液が硬くなっていることに関しては接着力に関してもまったく問題がありません。
冬場は固まりやすいですが、湯煎してご使用いただくことで問題なく使用いただけます。
膠液が明らかに変なにおいがしたり、寒いところに置いていても固まらなくなっているものは膠が悪くなっています。
この場合は膠の接着力がなくなっておりますので、ご注意ください。
膠液は、透膠液10gに水10gが最初の基本の量になります。
これに岩絵具の粒度などに合わせてさらに薄めて使用します。
11番より細かいような番手であれば、そこから20g~30gの水を加えて使用します。
11番より粗い番手であれば、10g~20gの水を加えて使用します。
ニスを塗ったようにテカるものはやはり膠が濃いものだと思われますので、もう少し薄めて使用してください。
冬場は膠が溶けにくいので、水よりもぬるめのお湯の方が良いかと思います。
乾いた時に擦って剥がれるようでは膠が逆に薄すぎます。普通に擦っても落ちないのが良いです。
牛皮100%です。
180ブルームです。
岩絵具の粒子の粗さにより膠液の分量が異なるというのは、粒子が細かい絵具は膠液の影響を受けやすく、なるべく少ない方がきれいに彩色できます。
また、粗い絵具は細かい絵具と比較する粒子が粗い分、定着しにくくなるため、膠液を多めに使います。
入門セットに書かれている膠液の濃度で9番の岩絵具でも概ね大丈夫です。分量の参考に申しますと、岩絵具の9番には、使用する絵具全体にさっくりした泥状に膠液がわたっていれば十分です。
膠の濃度は、人により異なります。
薄い目に溶いて少量の水を足して使う人、濃い目のものに多めの水を入れて使う人、など様々です。
また、岩絵具の粒子の大きさによっても、足す水の量を調整して膠の濃さを変えます。粗い粒子には濃い目のものを、細かい粒子には薄い目のものを、といったぐあいです。
塗り始めは強い目の膠を使い、仕上げに従って徐々に薄くしていくということもあります。
ここではごく基本的な溶き方を紹介します。
水100mlに膠を10g入れたものを火にかけ、完全に膠を溶かします。このとき、容器の底にある膠が焦げつかないよう注意します。できあがった膠液は、岩絵具の粒子の中ぐらいのもの(8~10番ぐらい)には水と一対一の割合で混ぜ、これより粗いもの(5~7番ぐらい)には水の量を少なめに、細かいもの(11~13番および白番)には水の量を多い目にするのが良いでしょう。
詳しくは動画をご参照ください。
紙のにじみ止めに使うものより薄めにします。
水500cc 膠5g 明礬1~1,5g あたりが良いかと思います。
薄く塗っては乾かし、また塗るということを3~6回程度繰り返し皮膜を作ります。
具とは胡粉のことです。
具墨とは胡粉と墨を混ぜ合わせたもののことです。
例えば、朱と胡粉を合わせたものは朱の具、白群と胡粉を合わせたものは白群の具というふうに言います。
箔は金属なので、絵具が滑ります。
薄めの礬砂液を塗り、完全に乾いてから塗り重ねることを繰り返します。
まずは3回ぐらい。様子をみながら必要であればもう一回というように。
このように礬砂液を塗り重ねて、絵具を定着させるために、下地を作ります。
銀箔は酸化したり、硫黄化合物と反応したりして黒変します。
朱や天然の辰砂は硫黄化合物なので黒変する可能性があります。
棒絵具は絵具皿に数滴の水を落とし、そこで擦りおろして好みの濃さでご使用いただけます。
顔彩や水彩絵具とも併用可能です。
混色は可能です。
再利用に関しては、岩絵具よりも粒子が細かいのでしっかりと膠抜きをしてください。
しかし、粒子が細かい分、岩絵具よりは難しいです。
こちらは対光性や耐久性に優れた顔料を選んで使用しています。
質の良い水彩絵具と同じようなものと考えてもらったら良いかと思います。
使い方としては墨よりは溶きやすいものとなっております。
硯を使用していただいてももちろん良いですが、普通の絵具皿でも溶きおろしていただけるように製造しております。
少し水を入れた絵具皿の中で擦っていただければご使用いただけます。
礬砂水・膠液・筆を洗った液等を含めて「廃液」としています。
廃液2リットルに対し、明礬を匙2杯(約4g)消石灰も匙2杯(約2g)です。
明礬には生明礬と焼明礬があり、凝集剤として一般的には生明礬が使われています。明礬とだけ書いているものに関しては、そのどちらであるかをご確認の上、ご使用いただければ良いと思います。弊社の割合は生明礬をベースにした割合になっております。
透膠液を使用いただいて問題ありません。透膠液には18%の膠が含まれているので、水またはお湯で6倍ぐらいに薄めてご使用ください。
(100mlの透膠液に対して水を500ml)
紙が光ることはないです。(膠液を溜めすぎると光る場合があります。)
透礬水で問題ありません。
弊社の麻紙ボードに使用の紙は白麻紙2号です。白麻紙2号のドーサ引きのものをボードに張り込み、胡粉を引いたものを胡粉引き麻紙ボードとして販売しております。
藍は染料ですが、沈殿物から顔料化したものを取り出すこともできます。耐光性は共にあまり良くありません。