原色岩絵具見本帖
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サイズ必要量天然岩絵具天然に産する良質の鉱物・貴石を厳選し、自然の持つ美しさをそのままに引き出すべく粉砕・水簸精製して、粒子分けしたものです。不純物を一つ一つ取り除き純粋な色にまで仕上げるために多くの時間と手間を掛けて造り上げます。代表的なものに藍銅鉱から造る岩群青、孔雀石から造る松葉緑青があります。新岩絵具天然岩絵具の原石にも色相に限界があります。そこでその色相を補充するために造ったのが新岩絵具です。釉の体質に発色剤として金属酸化物を混合し、800℃〜1000℃にて焼成・溶融して色の塊の原石である新岩を造ります。そののち、粉砕・水簸精製して粒子分けする天然岩絵具と同じ製法にて仕上げます。水干絵具耐光性の強い堅牢な顔料を選択し、体質顔料に胡粉を用い水簸精製後、杉板上で薄板状に自然乾燥したもので、水干不変色と言われた時代もありました。水干絵具の粒子は非常にきめ細かく、優れた発色が特長です。水飛胡粉水飛胡粉は、日本の伝統の白です。その製造法は、天然に産するイタボ牡蠣の貝殻を屋外に数年放置し、風化させます。その後、創業以来の伝統製法である湿式石臼粉砕にて微細化し同時に水で十分晒し、水簸精製後、杉板上で自然乾燥させます。原料となる貝殻の成長度と部位・質にて等級分けしております。天然土絵具天然土絵具は、洋の東西を問わず古来より顔料として用いられてきたものです。その製造法は、日本および世界各地で産する上質な天然の土を水簸精製後、杉板上で薄板状に自然乾燥したものです。天然土絵具の粒子は非常にきめ細かく、落ち着いた深みのある自然な発色が特長です。原色岩絵具色見本帖発 行 日平成23年2月吉日 第五刷発行発 行 者中川晴雄発 行 所ナカガワ胡粉絵具株式会社京都府宇治市宇治乙方68番地電話 0774-23-2266監   修京都教育大学名誉教授創画会会員烏頭尾 精印刷・製本株式会社 大伸社価   格630円(税込)岩絵具について岩絵具は、天然岩絵具、新岩絵具に分かれています。いずれも塊を砕いて粉末にし、粒子の大きさにより10段階に選り分け、下記のように標準番号に区分けしてあります。標準番号 5、6極 荒標準番号 7、8荒標準番号 9、10中標準番号 11、12細標準番号 13、白極 細品質管理永年にわたり培われた職人の技と経験を元に、粉砕、水簸分級に近代的な技術を駆使し、岩絵具の各枝番の平均粒度を均等化、ならびに標準化する技術を確立する事が出来ました。また、原料選択に細心の注意を払い、堅牢で経年変化のしにくい色の管理をしています。平ぬりに必要な岩絵具の分量の目安下表の数値は、新岩群青10番を平ぬりした場合に必要な分量の目安です。※平ぬりとは、絵具のたまりや筆むらをつくらず均一にぬる彩色方法です。10号F (53.0㎝×45.5㎝)45g50号F (116.7㎝×90.9㎝)200g100号F(162.1㎝×130.3㎝)400g

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